探険家の歴史 第2部最終章 ナイル河の旅 その3 ルクソールにて

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   ルクソールの王家の谷から見上げたエル・クルン山 ↑

 この山をピラミッドに見立て、王や王妃の墓を作った。

 古代エジプトの歴史の概要だが、紀元前3000年頃から統一王朝が始まる。
 第1王朝から第30王朝まであり、30もの違う血の王が国を治め、その後ギリシャ人の制服王朝プトレマイオス王朝となり、クレオパトラ7世でその歴史を閉じる。

 この古代エジプト3000年の歴史の初期は古王国時代、都はカイロに近いメンフィスにあったが、第11王朝の中王国時代から都はワセト(ルクソールのこと)となり、最もその勢力が大きくなった新王国時代の第18王朝までワセトは繁栄した。

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 第18王朝にはトトメス1世、ハトシェプスト女王(1~30王朝までの唯一の女王)、トトメス3世(エジプト史のナポレオンと呼ばれている。
 たびたび戦争を起こし、領土を広げた。)、トトメス4世、アメンヘテプ3世(大勢の妃に囲まれていた。
 ツタンカーメンは彼の子ども)、アメンヘテプ4世(アクエンアテン王、革命的な宗教改革を行った。彼の妃であるネフェルティティは古代エジプト史で最も美しい女性とされている。)、トゥト・アンク・アメン(ツタンカーメンのこと、彼の妃であるアンケセナーメンはアクエンアテン王とネフェルティティの子ども)など著名な王が綺羅星のごとく輩出し、第19王朝にはラムセス1世やセティ1世、ラムセス2世(王の中の王、最大の実力王、彼の妃ネフェルタリも美しい女性だった。)が古代エジプト史を彩った。

 このワセト(ルクソール)はサンクトペテルブルグと同じく、三度名前を変えた都市で、最初古代エジプトの人々はここをワセト(沢山の神々が集うところというふうな意味)と呼び、ギリシャ支配の時代にはテーベ(ギリシャの古い都テーバイと非常に似ていたため)と呼ばれ、7世紀のイスラム支配(アラブ支配)の時代からは、ルクソール(カッスル;アラビヤ語で沢山のお城の意味)と呼ばれた。

 古代、ルクソールはナイル河を挟んで、二つの世界に分かれていた。

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     ルクソールを流れるナイル

 太陽の昇る東岸には生きている人々の都「アクロポリス」が置かれ、王様が住み市街地が建てられ、カルナック神殿やルクソール神殿など生を象徴する建物が建てられた。

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     カルナック大神殿 お羊のスフィンクス

 一方、太陽の沈む西岸には死者の住む都「ネクロポリス」(巨大な墓場都市)が置かれ、その門となるメムノンの巨像をくぐると、ラムセウム(ラムセス二世の葬祭殿)などエジプト史を賑わした王達の葬祭殿が立ち並び、その背後には彼等の墓のある王家の谷や王妃の谷が隠されていた。

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    メムノンの巨像 アメンヘテプ3世がモデル

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    ハトシェプスト女王葬祭殿

 王家の谷や王妃の谷に眠っていた金銀で装飾されていたと思われる膨大な副葬品類は、そのほとんどが墓泥棒によって盗掘された。

 その墓泥棒の末裔の住む村が、クルナ村(クルナというと、なおさら行きたくなるのが人間ダヨネ、行きました。)である。

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    クルナ村 いかにも墓泥棒の末裔の村って感じ

 考古学者のライバルは墓泥棒で、インカ文明の末裔の人々の国ペルーを旅した時も、ワッケロー(無許可で遺跡を掘り、出土品を盗み出す盗掘者のこと)の手から逃れた遺跡を探すのは至難のわざと聞いた。

 クルナ村は全村の人口が2千人程で、その半数が今でも王や王妃の墓の上に住居を建てて住んでおり、先祖は墓泥棒を生業として、墓から出る副葬品やミイラやミイラの持っている死者の書を売りとばして生活していたが、彼等の現在の主な仕事は、観光客相手の副葬品類のコピー製品を販売するみやげ物屋さんと、遺跡発掘の日雇い人夫である。


 
 ここで、今回のヒーロー、インディジョーンズにはそう似てもいないが世界一有名な考古学者となったハワード・カーターの登場である。

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 ハワード・カーター(Howard Carter, 1874年5月9日 - 1939年3月2日)は、イギリス・ケンジントン生まれのエジプト考古学者で、彼の最大の功績はルクソールにある王家の谷で、1922年「世紀の発見」と言われるツタンカーメン王の墓を発見したこと。

 この発見は劇的で、スポンサーのイギリス貴族であるカーナボン卿との契約が切れる最後の年の最後の日に、ツタンカーメンの墓へ通ずる階段が発見された。

 墓泥棒の手を逃れ、「黄金の秘宝」は、イギリスの無口で真面目なたたき上げの考古学者によって、再び地上に姿を現した。

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    ツタンカーメンの墓の内部

 黄金のマスクほか2000点の出土品があったが、この宝の山の中で、ハワード・カーターが一番心に残った出土品は、黄金の宝物類ではなく、ツタンカーメンの妃アンケセナーメンが葬儀が終わって埋葬する間際に入れたと思われる、野に咲く矢車菊の花束だった。(古代エジプトでは青い花が魔除けとされ王様のミイラの胸のところに飾られた。)

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    ツタンカーメンの棺に飾られた矢車草

 僕は比較文明学専攻の院生だが、インカとエジプトは非常に似たところがあると痛感している。

 山岳と砂漠、ジャガイモと麦、リャマと牛、紀元前と紀元後の大きな違いはあるが、共通する黄金文化や太陽神信仰、ミイラやピラミッド、再分配のシステムが両文化にはある。

 盗掘者と考古学者が最も好む宝の山である南アメリカと北アフリカの両巨頭文明は、ハイラム・ビンガムや泉靖一のようなインカ考古学者とハワード・カーターや吉村作治のようなエジプト考古学者を生み出した。

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    エジプト考古学の第一人者吉村作治

 盗掘者と考古学者の汗の結晶は、世界中の博物館に陳列されているが、この宝物の背後にある矢車菊のような宝物を、このナイル河の旅の道中で、見つけ出したいと願った。

 
 

 古代エジプト文明を彩った5人の美女がいる。

 時代順に、ハトシェプスト女王、ネフェルティティ、アンケセナーメン、ネフェルタリ、そしてクレオパトラ7世である。

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    ハトシェプスト女王のマスク像

 いずれの美女にも、それにふさわしい物語がついている。

 美しさのランクからいけば、古代エジプト三大美女の中では、遠来の美女ネフェルティティ(ネフェルは美しいと言う意味、ティティは遠来のこと。)、500人を越える側室を管理した美しい正室ネフェルタリ、そしてエジプト最後の女王クレオパトラ7世といった順が妥当なところ。
 後は悲劇のヒロインのアンケセナーメン、男装の麗人ハトシェプストというところ。

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   古代エジプトNO1美女 ネフェルティティの胸像

 やはり、美女には悲劇が付き物で、悲劇になればなるほど美しく見えるのはいつの世でも同じだろう。
 したがって僕は、ツタンカーメンの妻も経験した矢車菊の君のアンケセナーメンを、古代エジプトで最も美しいヒロインとして紹介したい。

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   ルクソール神殿のツタンカーメンとアンケセナーメンの坐像

 彼女の人生は、可愛そうの一言に尽きる。

 ギリシャ悲劇のオイディプス王は、自分の実の父を殺し、実の母と交わり、子どもを3人も作った。
 予言を聞きながらも運命のとおりとなってしまうのは悲劇というもののすごさであり、韓国ドラマのチャングム誓いでも、同じような予言がされドラマを盛り上げた。

 アンケセーメンには、あらかじめ運命の予言など何も伝えられてないが、「チャングムの誓い」流に彼女の運命を予言すれば、「あなたは将来三度も近親婚を行い、その結婚のすべてで夫に先立たれることになる。」というもの。

 アメンヘテプ4世と王妃ネフェルテイテイの三女として生まれたアンケセナーメンは遠来の美しい母とその母だけをこよなく愛していた父に育まれ、幸せな日々を過ごしていた。
 
 第一の不幸登場(父との結婚)
 彼女がまだ12才の時のある日、父から結婚すると言われた。
 当時近親結婚は血筋を絶やさないための王家の常套手段でも有ったため拒むことは出来ず、これに従って子どもを2人もうけた。(2年後に父であり、夫でもあったアメンヘテプ4世亡くなる。)

 第二の不幸登場(叔父との結婚)
 二人の姉が死に、王位継承権を引き継いだため、小さい時から姉弟のように仲良くしていた3年下の幼なじみと結婚するように母に薦められた。
 彼が血統上は叔父さんに当たるまだ12才の美少年のツタンカーメン。

 しかし、ツタンカーメン18才のある朝、彼は二度と此の世に戻らなかった。

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   カイロ博物館のツタンカーメン夫妻を描いた黄金の玉座

 彼の死因は、ミイラの頭蓋骨に損傷が認められることから就眠中に天井から重い物が落下したとの説、足に酷い傷を負ってそれが感染症を引き起こしたとの説、毒殺説なども飛び交い、死因は未だ謎に包まれている。(子どもも出来たが幼くして死んだ。)
 最愛の人との平和な愛の生活は長くは続かなかった。
 

 第三の不幸登場(祖父との結婚)
 王位継承権を持つ女の悲劇はまだ続く。
 次の相手のアイは祖母ティティの兄で40才以上も年上の老人。
生理的に拒否反応を示し、母の母国、ミタンニ王国(今のイラクにあった。)の王子ザナンザと結婚したいと手紙で懇願、しかしその願いも空しく、アイと再婚し、アイが王位を継承したが、その数年後に亡くなってしまった。



  ここで、問題です。

 次のように運命の予言をされた美女は誰ですか?



 「弟妹4人を殺し、夫2人を殺し、わが子1人を殺し、我が身を殺す。そなたの死後、この世は終わりを告げる。」

1から3までの中に正解はあります。

1 ハトシェプスト
2 クレオパトラ7世
3 ネフェルタリ

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  きっと、矢車草なら謎を知っているよネ・・・

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