甲州街道と佐久平みち その16 万水川のほとりで 


 安曇野の大王わさび園は2003年の「姫川の旅」で一度行ったことのある場所である。





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 黒沢明監督の「夢」の舞台となった「万水川のほとりの水車小屋」は当時のままで、そこを流れている透明感の高い清流万水川の流れも当時のままだった。



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 尺を越えると思われる虹鱒も泳いでいた。

 その清流の横を歩いて、まず大王わさび農場に向かった。


 わさび農場も当時のままで、2003年の旅が再び脳裏に甦った。
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わさび田は、夏季期間の暑さをしのぐための寒冷紗で、その全面が覆われていた。


寒冷紗で覆われたわさび田をザーッと眺めてから、再び万水川に戻って、河岸をゆっくりと上流へ向かって歩いていく。





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 万水川は中信平の中では最も低い位置にあり、すべての扇状地が集まる場所でその総延長は7.4kmである。



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 安曇野一帯は複合扇状地で砂礫が多く、地表の水がいったん地中に潜ることがあり、いったんは潜行した水が扇状地の先端から再度湧きだすケースも多く、地元ではそのような場所を花見(けみ)と呼んでいる。

花見の代表的な河川が万水川である。





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 盆地の途中から湧きだした水は北、南の双方から万(よろず)の水を集めて清流れを形成するところから、万水川と名付けられたとされる。



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 この万水川の河畔に、「いつまでも残したい安曇野の原風景」というタイトルで、世界的な映画監督である黒沢明氏の脚本によるオムニバス映画「夢」の第8話「水車のある村」の撮影が1989年5月に行われたと説明に書いてあった。

この「夢」は、黒澤明監督による日本とアメリカの合作映画として1990年に公開された。


第8話「水車のある村」のあらすじはこんなものである。


私は旅先で、静かな川が流れる水車の村に着く。壊れた水車を直している老人に出会い、この村人たちが近代技術を拒み自然を大切にしていると説かれ、興味を惹かれる。


話を聞いている内に、今日は葬儀があるという。しかしそれは、華やかな祝祭としてとり行われると告げられる。


戸惑う私の耳に、賑やかな音色と謡が聞こえてくる。村人は嘆き悲しむ代わりに、良い人生を最後まで送ったことを喜び祝い、棺を取り囲んで笑顔で行進するのであった。





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 第8話「水車のある村」を代表する風景を見ようと川の方向に歩きだすと、黒沢明監督そっくりのポーズを取って川を眺めている方がそこに居た。

「黒沢明監督にそっくりですね」と声を掛けると、この方は笑って、まんざらでもないような表情をしていた。





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 黒沢監督を入れて、「水車のある村」を代表する風景を撮影したが、よく見るとこの方はお腹がだいぶ出ていて、そう監督にも似ていなかった。



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 黒沢監督を入れないで水車を撮ると、夢のような綺麗な写真が撮れた。

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