奈良散歩 その21 猿沢池越しの五重塔


司馬さん並みに、「五重塔をことさら無視するように歩いていく贅沢さ」を十分味わってから、猿沢池に行った。


 この池越しに見た興福寺五重塔が絶品だと旅行案内書等に出ていたので、その風景を間近に見て見たかった。


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 猿沢池越しに見える位置に立ち興福寺五重塔を見ると、なるほど周りの風景に塔が溶け込んで素晴らしい景観を造っている。

興福寺五重塔は光明皇后の発願により730年に創建されたが、現存の塔は、1426年頃の再建である。


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 高さ50.1メートルで、現存する日本の木造塔としては東寺五重塔に次いで高い。

塔の特徴として、各層が同じ大きさとなっていて、最上層の五重目の屋根も勾配がずっしりと深くなっていて、全体の印象として重く感じられる。


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 それに対して法隆寺の五重塔や薬師寺の東塔、西塔などは塔の構造を上へゆくほど構造を小さく縮めているので、遥かに天を目指す鋭さが出てくる。

しかし司馬さんは、「猿沢池越し五重塔を見た時、ずっしりと周りを抑え込んでいるのはこの塔の重々しさなので、この塔の重すぎる感じも捨てがたい、いやこの塔でいいんだ」と、興福寺五重塔の精霊のためにそういうのである。


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 猿沢池越し五重塔を楽しみながら、ゆっくりと興福寺の境内に向かって歩いていく。

この風景を楽しめるのも、廃仏毀釈の嵐の中で幸運にも壊されたり売り出されたりして燃料等に使われなかったという奈良の歴史の勝利ということである。


奈良市民にとっても観光客にとっても、かけがえのない文化遺産が残ったことを感謝しつつ、歩みを進めていく。


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 これから興福寺境内の中に入っていくが、まず興福寺三重塔を目指して、赤線で示した道の上を歩いていく。

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 今日は11月6日、時間は午前10時を少し過ぎている。

 奈良時代、奈良は唐の長安の都を模して建設されたので、奈良市内の至る所に長安の都を冷凍保存したような風景や建物が今でも残っているので、そういう風景に出会えるのが今日も楽しみである。


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