「日本最長10河川の旅」での釣り 北上川への旅 その5 宮沢賢治の書いた童話や物語から その4 賢治文学の最高傑作、「銀河鉄道の夜」を落合恵子と旅して・・・・

賢治の童話の中でも一番有名なものは、「風の又三郎」そして「銀河鉄道の夜」だろう。
 今回は
「風の又三郎」は省略し「銀河鉄道の夜」を取り上げる。


 「銀河鉄道の夜」
は賢治作品中の最も大作と言われ、賢治文学の最高傑作とも称されるもので、簡単な言葉で語ることは出来ない重い作品であると受け留めている。

ジョバンニが夢の中で、友人カンパネルラと死者を葬送する銀河鉄道に乗って「ほんとうの幸い」探しの旅に出る話で、賢治の宗教的な思想が宇宙的な広がりに展開し、「実際に銀河鉄道の夜」を持参して旅にでも出ようかという気になる大変魅力に溢れる童話。
 
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明治大学卒の有名人である落合恵子のこの作品に寄せる一文を読んだが、彼女の大学時代からの故人となった友人とその一人娘の、「銀河鉄道の夜」と併走するエピソードが語られていた。

10代後半の大学生時代、落合と友人はアメリカのポップカルチャーと宮沢賢治がマイブームだった。

宮沢賢治と同じくらいの年に病死した友人の娘は母親そっくりの娘に成長し、落合は母親そっくりの娘と喫茶店で出会い、母親の愛読書だった「銀河鉄道の夜」の話をする。

その娘は「銀河鉄道の夜」をほとんど暗唱していて、大好きなフレーズをいくつか落合いに紹介する。

「ぼくはおっかさんが、ほんとうに幸いになるなら、どんなことでもする。けれども、いったいどんなことが、おっかさんのいちばんの幸せなんだろう。」

「なにがしあわせかはわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもいろなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。ああ、そうです。ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」

「カンパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸せのためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。・・・けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」

落合は、友人の娘がもはや友人の域に達しているのを感じており、喫茶店で会った日、娘から、この夏に、「銀河鉄道の夜」の旅に二人で出かけないかと誘われる。
 
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おっかさんのやりたかったことをやってあげるのは、やはり仏の供養でもあり、落合も娘の中に甦っている友人の魂の鎮魂と「おっかさんのほんとうの幸い」のために、共同作業としての死者を葬送する「銀河鉄道の旅」を挙行することにする。

落合とその友人の母子の世界では、死者は此の世に甦り、残されたものは、ほんとうの幸せの意味を噛み締めながらの旅が行われたのだ。


賢治の「銀河鉄道の夜」は、賢治の最愛の妹である日本女子大学卒の才媛トシの魂を鎮魂するため書かれたという説もあり、死者の魂が本当の幸いを見つけ、安らかな安息の日々を送れるようにする事は、最愛の者と別離し残されたものとしての責務と感じていたのだろう。

賢治の宗教者としての資質の中に色濃く出ている「自己犠牲の精神」他者の幸せのためなら僕なんかどうなってもいいという精神の結論として、友人カンパネルラは、川で溺れた他者であるザネリの命を助け、自らは命を失って、最愛の友を無くしたジョバンニが此の世に残され、未完の大作「銀河鉄道の夜」は完結する。


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