甲州街道と佐久平みち その12 旧開智学校


旧開智学校に入ると、学芸員と思われる男性が、十数名ほどの観光客に向かって説明しているところだった。





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 旧開智学校については事前知識がまったくないので、ちょうどいい機会に遭遇できたと感謝しながら説明に耳を傾けた。



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 説明の男性は、今は重文になっているこの建物が今年中には国宝になる予定だと話し、それから国宝に格上げになった理由を説明していった。

 一番の理由は、この校舎のデザインだという。





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 デザインは洋風建築という文明開化の時代に全国で造られた様式で、日本の大工が自分の持っている伝統技術や見聞きして来た西洋技術を駆使して、洋風に見せるような建物を全国で作っていくが、旧開智学校はそういう建物の一番の代表作と言われている。

 建物の正面に天使の看板と龍の彫刻があるが、天使は西洋から入って来たイメージで、龍は日本で伝統的に使われていたデザインで、和洋相反するデザインを建物の真正面の一番いいところに使っているのは、文明開化の時代の人々の気持ちを良く表しているという評価を得ている。





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 この彫刻には意味があり、波しぶきの上に漂っている龍がイメージする日本が、勉強とか学びの力で雲を越えて空に登っていくと、天使の待つ西洋のような世界に登っていけるというような、言わば登竜門のようなイメージがあると言われている。

 新しい時代を創っていく人材を育てる場所として造られたこの学校は、当時の社会の風潮をよく表現している建物なのである。


 ただ建物を造った大工さんたちは西洋建築の勉強をしたわけではないので、西洋建築になり切れてない部分も幾つかあるという。





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 先ほど見た旧司祭館はフランス人の設計によるもので左右対称となっているが、旧開智学校は左右で窓の数も違っていて、左右対称となっていない。



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 なるほど確かに、建物の右側の窓は一つの階で5個、建物の左側の窓は6個付いている。

 西洋建築のように左右対称にする意義や必要性を、当時の日本人は感じなかったことがうかがわれる建物となっている。





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 また建物の四隅にあるギザギザ模様は、西洋建築の石を積んだ建築を模したもので、漆喰に灰色を混ぜて塗り重ねているだけである。



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 更にこのバルコニーに似せているものは、実際には中から外に出るような仕組みとなってはいなくて、ただのデザインとして造られたものだという。

色々面白い話を聞いたあと、これから旧開智学校の中に入っていく。




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