江南の春  杜牧

 江南の春  杜牧

      千里鶯啼いて緑紅に映ず
       水村山郭 酒旗の風
      南朝 四百八十寺
      多少の楼台煙雨の中



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 当時の人が「江南」といったとき、連想するのは広い農村と古い都。広い農村の春には明るい晴れの天気が、古い都の春にはしっとりとした小雨がよく映る。
南朝、特に梁の時代は仏教が盛んで、仏寺の数は南京だけで五百以上を数えたという。
 「四百八十寺」の「十」をシンと読むのは、ジフと詠むとこの下五字がみな仄声(去・入・入・入・去)で、規則にはずれ発音しにくいところから、古来「十」を「諶」と平声に発音する習慣があり、わが国でもシンと読みならわしている。

 見わたすかぎり広々とつらなる平野の、あちらからもこちらからも鶯の声が聞こえ、木々の緑が花の紅と映じあっている水辺の村や山ぞいの村の酒屋のめじるしの旗が、春風になびいている。
 一方、古都金陵には、南朝以来の寺院がたくさん立ち並びその楼台が春雨の中に煙っている。

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