平安時代日記 その1 恋のテクは古典に学べ。


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第1問 次の歌の作者を答えなさい。

① あらざらむこの世のほかの思い出に 今ひとたびのあうこともがな

② めぐりあいてみしやそれともわかぬまに くも隠れにし夜半の月かな

③ 夜をこめて鳥のそらねははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ

①の和歌の意味はこうである。

   
 わが身は病み衰えて、私はもうすぐ死んでしまうことだろう。
 明日はもうこの世にはいない私だが、せめてその世界であなたのことを思い出せるように、今ひとたびあなたにお逢いしたいのです。
 あってくださいますね。

  ①1は和泉式部の和歌である。

 鎌倉時代、後鳥羽上皇に捧げられたという説もある藤原定家が選んで編んだ小倉百人一種に選ばれている。
 和泉式部は恋多き女性として名をはせており、情熱的な恋の歌が得意の、天性の歌人であった。

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 ↑ 長野県下諏訪町の来迎寺敷地内にある和泉式部の少女時代像。
   
 このように、病み衰えてもう花の色もない年におそらくなっていたであろう彼女だが、やはり好きな男には逢いたいのである。
  逢ってそれを思い出として、あの世に旅立ちたい、こんなことを言われたら、大概の男はまいっちゃいますよね。
 平安時代はすることがなかったからと言えばそれまでだが、男女の恋の駆け引きのノウハウは、この時代で既に成立していたのではないかと思えるくらい、なかなかなんだなあと感心することが多々ある。

   教訓 恋のテクは古典に学べ。

  ちなみに、②は紫式部、③は清少納言の百人一種
  に撰せられている歌です。

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