台湾紀行 その28 実にロマンチックな北回帰線標塔

 台湾では西海岸の嘉義県水上郷と東海岸の花蓮県豊濱郷靜浦村と道一つ内陸の花蓮県瑞穗郷の3カ所に標塔が設置されている。

 僕らがこれから向かうのは、東海岸の花蓮県豊濱郷靜浦村にある北回帰線標塔である。
その北回帰線標塔は公園風に整備されており、その上土産物屋まである観光地となっていた。

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 観光バスが何台も停まっていて、観光客で賑わっていた。

北回帰線は地球の北半球に位置する回帰線で、太陽の軌道は夏至の時点でこの北回帰線上を通るが、その位置は北緯23度26分22秒。
太陽は赤道を中心として、毎年北半球の北回帰線と南半球の南回帰線の間を往復する。
地球に線が引いてある訳ではなく、夏至の時点で太陽の真下となる地点に世界中でメモリアルを設置している。

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 こんな古めかしい文字の看板の奥に、目指す標塔が遠く見えている。

 何故かヘンリーミラーの小説「北回帰線」(猥褻という感じ)を思い浮かべた。

 ヘンリーミラーのパリ放浪時代の自伝的な小説を、読むことは一度もなかったが題名と内容のあらすじだけは知っていた。
台湾に1930年代のパリが存在する訳もなく、場末のパリでの人間の本能(食欲、性欲)を描き、パリでの不浄なもの(たとえば性病の娼婦)との関わりを描いた小説は、作品内の露骨な性描写が法律に触れ、発禁となったこともあった。

 北回帰線は、そうロマンチックな連想を誘う言葉ではなかった。
だが、実際の北回帰線標塔は実はロマンチックな存在で、これからそのことを証明する。

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 北回帰線標塔に北から近づいていくが、標塔は北回帰線と漢字4文字で記されている。

右側は山側、左は海側、僕の今いる場所は亜熱帯、標塔の後ろは熱帯となる。
これから熱帯に向かって歩いていく

 塔の周りは石畳になっていて、そこに北回帰線の説明が書かれてあった。
① 回帰線は夏至に太陽がこの真上を通る線で、北緯は23度26分。
② 三千年前には蟹座の位置に夏至点があったので、北回帰線のことを英語でTropic of Cancerと呼ぶ。
③ 夏至になると太陽がこの真上を通るため、正午には自分の影が消滅する。
④ 台湾を基点として西回りで、北回帰線上の国が列記されて書いてある。
中国、ミャンマー、バングラディシュ、インド、オマーン、カタール、サウジアラビア、エジプト、リビア、アルジェリア、マリ、モーリタニア、メキシコ(意外に少ない感じがするが、こんなものかなと思ったりもする。)

 これが実際の北回帰線標塔である。


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 花蓮県豊濱郷靜浦村の北回帰線標塔は実にロマンチックな存在で、標塔の真ん中が北回帰線で二つに分断されていて、細長いスリットとなっている。

 夏至の時に太陽は北回帰線に沿って東から西へ沈むので、塔のスリットの中を太陽が移動し、真昼に塔の上に太陽がくるようになっている。

 エジプト人やインカ人なら考えそうな仕組みの標塔、これを見て今までのモヤモヤが吹き飛んだ。
 安心して花蓮に行き、アミ族に会える。

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