東京散歩Ⅱ その36 清澄庭園と深川江戸資料館を見学

 採茶庵跡の次に、元禄期の豪商・紀伊國屋文左衛門の屋敷があり、その後三菱財閥創業者の岩崎弥太郎の庭園となり、それから三菱社長の座を継いだ岩崎弥之助の手で隅田川の水を取り込んだ回遊式林泉庭園となった清澄庭園を訪れた。
 日本のお金持ちと言われた人たちが住み暮らしていた広大な場所を、蝉がガンガン鳴く炎暑の中、名水入りのペットボトルだけを頼りに歩いていく。
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 この庭には岩崎家が自社の汽船を用いて全国から集めた名石がいたるところに配置されている。
 石は、紀州青石、伊予青石、伊予磯石、讃岐御影石、伊豆式根島石、武州三波青石、相州加治屋石、佐渡赤玉石、秩父青石などである。
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 ここは池の端に石を転々と置いてそこを歩けるようにした磯渡りと呼ばれているもので、石の横には数匹の真っ黒な巨鯉が悠然と泳いでおり、ここからは向こう岸に設置され数寄屋造りの集会施設として利用されている涼亭が眺められる。
 随所に配置された名石を眺め歩いて、お金持ちの世界をしばし味わって、清澄庭園を後にした。
 これから深川江戸資料館に向かう。
 深川江戸資料館は、江東区立の江戸時代に関する資料等を収集、保存及び展示している資料館で、江戸時代(天保年間頃)の深川佐賀町の街並みを再現した展示のほか、劇場、ホールを備えた文化施設である。
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 紺色の地に白抜きで大きく深川江戸資料館と書かれた縦幕を左に見ながら、館内に入った。
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 館内に入り,はじめに導入展示室に入ると、伊能忠敬を先頭に松平定信や山東京伝等江戸時代に活躍した深川ゆかりの高名な人物が出迎えてくれた。
 それから江戸時代の街並みが再現されている常設展示室に入った。
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 ここは船頭が猪牙舟を使って人や荷物を搬送した船宿で、飲食や宴会もできる小料理屋のような場所だった。
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 常設展示室はなかなか凝った造りで、照明設備を使って昼や夜を自由に演出することができ、特に夜の船宿の雰囲気は真に迫っていて圧巻だった。
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 再現された深川佐賀町の街並みはこのようなもので、町は江戸湾の入り口に近く、深川の入り口の江戸の新開地として発展した。
 立地の関係から木場(材木置場)、倉庫街(物流の拠点で蔵の町)、漁師町として栄え、これらが深川の代表的な産業となった。
 深川江戸資料館では、江戸の町人の8割が生活したという長屋の展示が面白かった。
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 権力者である武士や富裕な大商人は豪邸に暮らし、貧しい町人はたった4畳半での極貧の生活である。
 しかし、貧しい中でも彼らは工夫しながら生きていき、その生活の中で楽しみを見いだしていたのである。
 この江戸時代と同じように、現在も貧富の差の厳然とした厳しい時代となっているが、上だけを見るのではなく、「足るを知る生活」を江戸町人に習って考えてみたいと思った。

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