東京散歩Ⅱ その48 神田古書店街を散策

 食事が終わっても、依然として雨の降り止む気配がなかったので、午後に予定していた計画を取りやめ、神田の古書店街の散策にとどめた。
 神田古書店街は、主に東京都千代田区神田神保町にある古書店などが密集している場所の総称で、1880年代にこの地域に相次いで創立された法律学校、明治法律学校(明治大学)、英吉利法律学校(中央大学)、日本法律学校(日本大学)、専修学校(専修大学)の学生を当て込んで古書店も含めた法律書の書店が次々にできていったのがその始まりで、実に130年の歴史を持つ。
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 この街は、岩波書店、小学館などの大手出版社、印刷所、新刊を扱う一般書店の他に、専修大学、明治大学、日本大学など大学、学術関係の施設もあり、これらが一体となって本の町神田となっている。
 総数約200軒のうち約140軒が古書店で、都内の古書の約三分の一がこの地域に集約している。
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 まず、岩波書店に行った。
 岩波書店は1913年8月5日、岩波茂雄が東京市神田区南神保町16番地(現・東京都千代田区神田神保町)に開いた古書店として出発。
 翌1914年に夏目漱石の「こゝろ」を刊行して出版業にも進出、漱石没後に夏目漱石全集を刊行して躍進した。
 多くの学術書を出版するだけでなく、岩波文庫や岩波新書を出版するなどして古典や学術研究の成果を社会に普及させることに貢献し、文化の大衆化に多大な影響を与えた。
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 古書街に来た記念に、常に感心を持っている日韓関係の橋となった冬のソナタ関連の「冬のソナタから考える」を買った。
 税込みで518円だった。
 次に、神田古書センターに入ってみた。
 本の街神保町の魅力を縦に凝縮したというキャッチコピーで、9階建てのビルの中に6店ほどの本屋が入っていて、食堂やレコード店などもある。
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 このビルの5階から下を覗くと、古書街はこんなふうに見える。
 このビルの5階に岡茂雄の創設した山岳書専門の梓書房がある。
 岡茂雄は東京帝国大学人類学教室へ選科生として入学し、鳥居龍蔵の元で学んだ。
 1924年に民族学や考古学への貢献を志して「岡書院」を創立、更に1925年には山岳書の出版を専門とする「梓書房」を創立した。
 彼は岡書院当時、鳥居龍蔵の「人類学上より見みたる北東アジア」を手始めに、南方熊楠の「南方随筆」、「続南方随筆」、柳田國男の「雪國の春」や八幡一郎の「南佐久郡の考古学調査」などを出版した。
 梓書房での出版は、山階芳麿の「日本の鳥類と其生態」、京都帝国大学遠征隊報告「白頭山」などがあり、民族学・考古学から山岳・自然関係の名著を、短期間ながら多数出版した。
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 その後、岡茂雄の梓書房がどうなったのかは調べてないが、気になったので立ち寄ってみると、あいにくと今日は離席中ということで、扉は閉じられていた。
 雨もやみそうにないので、宿泊ホテルに帰るために水道橋駅に向かった。

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